制御側から共有する情報
値の定義、単位、許容範囲、状態、操作可否、通信・適用の応答、異常時の条件。
FOOD MACHINE / SETTING UI
包装機や食品機械のタッチパネルでは、数値を入力するだけでなく、その条件を確認し、確定し、制御へ反映されたことを確かめる流れまでが画面設計の対象です。
以下は産業機械のUI/HMI設計で検討する一般的な観点です。個別装置の安全条件や制御仕様を示すものではありません。
01 / ROLE
条件設定画面の役割は、値を入力できるようにすることだけではありません。利用者が対象の工程と設定内容を理解し、必要な値を編集し、装置側へ反映された状態を確認できるよう、情報と操作をつなぎます。
画面で「保存した値」と制御側で「現在使われている値」が同じとは限りません。画面の設計では、入力、保存、適用、適用結果の確認を分けて考え、どの段階にいるかが伝わる表示を検討します。
具体的な操作可能条件、インターロック、運転中の変更可否などは装置ごとの仕様で決まります。UI/HMIでは、その仕様を画面上の状態や操作手順として誤解なく伝えることが重要です。
02 / OPERATION FLOW
利用者が作業を進める順番と、画面が案内する順番を照らし合わせます。
設定項目を一覧に並べる前に、対象工程の順序を整理します。工程の準備、条件の入力、内容確認、反映、運転準備など、実際の作業と画面遷移の関係を見える形にします。
画面を工程単位で分けるか、一画面にまとめるかは、画面サイズや作業内容、装置仕様などに合わせて検討します。工程のまとまりが見えることと、必要な値を比較しやすいことの両方を確認します。
工程や状態をどのように表示するかは、オペレーターを支援するUI/HMI設計の観点でも整理できます。
03 / VALUE STATES
数値を扱う画面では、「いま装置で有効な値」と「これから適用しようとしている値」が視覚的にも状態としても区別されているかを確認します。
保存済みの値、編集中の値、制御へ適用された値は、必要に応じて別の状態として扱います。
装置または制御側から取得して表示している値。取得時点や更新状態を含め、何を示す値なのか明確にします。
利用者が入力・変更している値。まだ適用されていない段階なら、その状態が分かる表示を検討します。
制御側で受け付けられ、有効になったことを確認できる値。画面上の保存操作と同義にしない設計が必要です。
数値そのものに加えて、単位、表示桁、入力可能範囲、初期表示の意味を検討します。入力範囲や初期値は装置仕様に基づいて決めます。UI側だけで範囲を推測したり、根拠のない値を設定したりしません。
数値入力時の誤操作を防ぐ考え方は、産業UIの誤操作防止も参照してください。
04 / EDIT & APPLY
値を編集し始めてから装置へ反映されるまで、操作の各段階を定義します。「確定」ボタンを押した時点で何が起こるか、通信や制御側の応答を待つ間に何を表示するか、反映できなかった場合に値がどう扱われるかを、制御担当者と合意します。
異常や警報の内容、原因の手がかり、確認方法を扱う際は、アラーム・エラー表示の設計も関連します。
05 / RECIPE & PRODUCT
品種やレシピの切替では、選択した名称だけでなく、どの条件セットを読み込んだのか、編集後に保存したのか、制御へ反映されたのかを順に確認できる流れを設計します。
複数の品種を扱う場合は、似た名称の取り違えを避ける情報、選択中の品種表示、切替前後の値の扱い、保存と適用の違いなどを検討します。どの条件で切替を許可するか、運転中に何を変更できるかは、装置の制御仕様として確認してください。
06 / MODE & ACCESS
自動・手動・段取りなど、モードごとに利用できる操作が異なる場合は、現在のモードと操作可否が分かる表示を設けます。モード名称や遷移条件は、装置側で定義された用語と一致させます。
操作権限や運転条件を画面だけで代替することはできません。権限管理・インターロックの実装範囲を制御設計側と確認し、UIは状態と操作可能範囲を利用者へ伝える役割を担います。
オペレーター支援の画面設計では、操作する人や作業状況に応じた情報提示の考え方も紹介しています。
07 / FAILURE & RECOVERY
失敗を一律の「エラー」として扱わず、入力値の不備、通信の中断、制御側で適用できない状態など、原因や発生段階に応じて表示を整理します。利用者が次に確認することと、やり直したときに値がどうなるかを示します。
実際に表示する原因、復帰手順、再試行の可否は装置仕様と制御側の状態情報に基づいて決めます。UI/HMI担当者が機器の挙動を推定して復帰方法を作ることは避け、制御担当者と表示内容・状態遷移を確認します。
表示の優先順位や利用者が取る行動の伝え方は、アラーム・エラー表示の設計と合わせて検討できます。
08 / PLC & UI/HMI
PLC・制御設計では、値の範囲、状態、更新タイミング、操作条件などを定義します。UI/HMI設計では、その定義を画面上で理解し、入力し、結果を確認できる情報構造と操作フローへつなぎます。
画面の見た目を確定する前に、表示値の意味、編集可能な状態、確定・取消の扱い、通信や適用の応答、異常時に参照できる状態情報を共有します。
設計と実装の分担は開発体制によって異なります。制御仕様を担う担当者とUI/HMI設計担当者の境界・受け渡し情報を整理する方法は、HMI画面設計を始めるときに用意できる資料も参考になります。
エピカリスのUI/HMI設計では、産業機器の情報設計、画面構成、操作フロー、UIデザインを支援しています。
値の定義、単位、許容範囲、状態、操作可否、通信・適用の応答、異常時の条件。
表示の優先順位、入力と確認の流れ、値の状態表示、画面遷移、エラー時の案内。
誰が入力検証を行うか、確定操作の意味、失敗時に保持する値、確認方法。
画面サイズ・入力機器・応答時間など、実装環境で操作と表示を検証する項目。
09 / REVIEW CHECKLIST
個別装置の仕様を確認するための問いとして使い、項目だけで安全性や適合性を判断しないでください。
対象工程、品種、設定箇所が分かり、作業順と画面の順序が合っているか。
現在値・編集中・保存値・適用済みの区別、単位、桁、表示時点が明確か。
仕様に沿った範囲・精度・初期表示が定義され、入力エラー時の案内があるか。
確定・キャンセルが何を変えるか、制御反映の結果をどう確認するか明確か。
選択対象、内容、編集、保存、適用、現在有効な条件を順に確認できるか。
現在のモード、操作可能な条件、権限不足時の状態が制御仕様と一致しているか。
入力・通信・適用失敗を区別し、値の状態と次の確認・復帰手順を説明できるか。
変更者・変更内容・時刻などの記録要否、保守時に確認する情報を関係者と決めたか。
操作履歴が必要か、どの情報を記録できるかは、装置の仕様、運用、システム構成に依存します。保守時の確認方法も含め、表示・記録・制御の担当範囲を事前に合わせてください。
この確認項目を社内レビューに使う場合は、UI/HMI画面のチェックリストもご利用いただけます。